サンタさんはどうして静かに来るのか ~クリスマスから考える音のひみつ~

こんにちは、Nです。
2025年ももうすぐ終わり!あっという間ですね。

今回は、クリスマスと「音」について、ご紹介いたします。
サンタさんは、夜中にこっそりやって来て、気づいたらプレゼントだけ置いて帰っていると言われています。どうしてそんなに静かに動けるのか、少し不思議ですよね。
この不思議を入り口に、子どもでもイメージしやすい「音のひみつ」をご紹介いたします。

 

音ってなにでできているの?

私たちが聞いている音は、目には見えませんが「空気のふるえ」でできています。
人が話すときも、ピアノやギターを弾くときも、ものが少しふるえて、その力が空気に伝わります。その空気のふるえが波のように広がり、耳まで届いたときに「音」として感じられます。

途中に壁や家具があると、その波が弱くなったり、跳ね返ったりします。
音は見えないのに、ちゃんと動いている“なにか”があると想像していただけると分かりやすいと思います。

 

サンタさんはどうして静かなの?

ここで、サンタさんの服装を思い浮かべてみてください。
ふかふかの赤いコートに、もこもこの帽子や手袋。
こうした柔らかい布は、こすれたときの小さな音をやわらげてくれる性質があります。

それから、雪の上を歩くときのことも想像してみましょう。
雪はふんわりしていて、足が地面にあたる力をやさしく受け止めてくれます。
そのため、コツコツという足音が大きな音になりにくく、静かに歩きやすくなります。

 

冬の夜はもともと静かになりやすい

冬の夜は、ふだんよりも街全体が静かに感じられることがあります。
お店が早めに閉まっていたり、工事現場や工場がお休みだったりして、
車や機械の音が少なくなりやすいからです。

まわりの音が減ると、私たちの耳は、空気の冷たさや風の音など、
細かい音にも気づきやすくなります。
そんな中で「サンタさん、今どこにいるかな」と想像すると、静けさも少し楽しくなります。

 

吸音と遮音ってどんなもの?

音を静かにする考え方には、「吸音」と「遮音」という2つの言葉があります。
難しそうに聞こえますが、実は身近なところにたくさんあります。

「吸音」は、音をやわらげることです。
カーテンやじゅうたん、クッションの多い部屋は、声がやさしく聞こえます。
柔らかいものの中で、音のエネルギーが少しずつ小さくなっているからです。

「遮音」は、音を通しにくくすることです。
分厚い壁の向こうの声が聞こえにくかったり、本棚の裏側からの音がこもって聞こえたりします。これは、音が進む道を“さえぎっている”からです。

 

冬になると音がくっきり聞こえること

冬の朝、「いつもより電車の音がよく聞こえるな」と感じたことはないでしょうか。
空気が冷たくて澄んでいると、遠くの音がクリアに聞こえることがあります。

また、家の中がとても静かなとき、ちょっとした物音が大きく感じられることもあります。時計の音や、エレベーターの動く音など、ふだんは気にしない音に気づくのも冬ならではです。
同じ場所でも、季節によって“音の表情”が変わるのはおもしろいところです。

 

クリスマスの静けさがつくる想像の時間

クリスマスの夜は、いつもより特別に感じられる方も多いと思います。
街の明かりはきらきらしているのに、耳をすませると静かな時間が流れている。
そんなギャップが、クリスマスらしい雰囲気をつくっているのかもしれません。

屋根の上で雪が落ちる音や、どこか遠くで聞こえる機械音が、
子どもたちには「もしかしてサンタさんかな?」と感じられる瞬間もあるでしょう。
静けさの中で、ちょっとした音に想像力がふくらむこと自体が、クリスマスの楽しみのひとつです。

おわりに

今回は、サンタさんのお話をきっかけに、音の正体や冬ならではの静けさについてご紹介いたしました。
音は見えませんが、空気のふるえ方やまわりの環境によって聞こえ方が大きく変わります。

クリスマスの夜に少しだけ耳をすませてみると、ふだんは通り過ぎてしまう小さな音や、街の静けさの違いに気づけるかもしれません。
そんな小さな発見が、皆さまご家族の冬の思い出を、ほんの少しあたたかくしてくれたらうれしいです。

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