こんにちは。サイレントプロバイダーのMです。
車が走る音。
近所で話している声。
救急車のサイレン。
窓を開けていると外の音が聞こえるのは当然ですが、
「窓をしっかり閉めたのに、意外と外の音が聞こえる」
と感じたことはありませんか?
特に夜になると、昼間は気にならなかった道路の音や人の声が、妙にはっきり聞こえることもあります。
窓を閉めているのに、なぜ音は部屋の中まで入ってくるのでしょうか。
今回は、住宅の「窓」と音の関係について見ていきます。

そもそも、音はどうやって部屋の中に入ってくる?
私たちが普段聞いている音の多くは、空気の振動によって伝わっています。
たとえば道路を車が走ると、タイヤと道路の摩擦音やエンジン音などによって周囲の空気が振動します。
その振動が空気中を伝わって家まで到達し、窓や壁などを通して室内へ入ってきます。
ここでポイントになるのが、
「窓を閉める=音が完全に通れなくなる」わけではない
ということです。
光ならカーテンを閉めればかなり遮ることができますが、音は壁や窓などを振動させながら伝わることがあります。
さらに、ほんのわずかなすき間があれば、そこから空気と一緒に音も入ってきます。
つまり、窓を閉めても外の音が聞こえるのには、いくつか理由があります。
理由① 窓は壁よりも音が通りやすい
住宅の外側には、壁、屋根、窓、玄関などがあります。
その中でも、窓は外の音が入りやすい場所のひとつです。
なぜなら、一般的な住宅では壁に比べて窓の方が薄く、さらに開け閉めできる構造になっているためです。
外から音がやってくると、音のエネルギーによってガラスもわずかに振動します。
すると、その振動が室内側の空気へ伝わり、私たちの耳に音として届きます。
もちろん、ガラスの厚さや種類、サッシの構造などによって音の通りやすさは変わります。
そのため、
「窓は閉まっているのに、窓の近くに行くと外の音がよく聞こえる」
ということが起こるのです。
理由② サッシにはわずかな「すき間」がある
もうひとつ重要なのが、窓のすき間です。
窓を閉めた状態では一見完全に密閉されているように見えます。
しかし窓は、毎日開け閉めするためのものです。
そのため、枠と窓の間などにはパッキンなどの気密部品が使われ、できるだけすき間を少なくする構造になっていますが、完全にゼロにすることは難しくなります。
日本サッシ協会でも、サッシは構造上すき間を完全になくすことはできず、音を完全に遮断することはできないと説明しています。
音にとって、こうした小さなすき間は「通り道」になります。
たとえば、
壁はしっかりしている。
ガラスも厚い。
それなのにサッシの一部分にすき間がある。
このような状態では、その部分から音が入ってくることがあります。
防音では、厚い材料を使うことだけでなく、すき間をできるだけ少なくする「気密性」も非常に重要なのです。
理由③ パッキンやサッシが劣化していることも
以前より外の音が気になるようになった場合には、窓そのものの状態も確認してみましょう。
長年使っている窓では、
パッキンが劣化している。
窓と枠の当たり方がずれている。
サッシの調整が合っていない。
といったことがあります。
すると、閉めているつもりでも以前よりすき間が大きくなり、そこから音が入りやすくなる場合があります。
「最近、窓の近くから音がよく聞こえるようになった」
という場合には、ガラスだけでなく、サッシやパッキンの状態を確認してみるのもひとつです。
理由④ 実は「窓」ではなく換気口から聞こえていることも
窓の近くから外の音が聞こえると、
「この窓から音が入っている」
と思ってしまいがちです。
しかし、必ずしも窓だけが原因とは限りません。
住宅には空気を入れ替えるための換気口があります。
換気口は、名前の通り外と室内の間で空気を通す場所です。
空気が通るということは、そこを音が伝わることもあります。
そのため、道路沿いや線路沿いなどでは、窓を閉めても換気口の近くから車や電車の音が聞こえることがあります。
窓の防音性能を高くしても、
「まだどこかから音が聞こえる」
という場合には、換気口など別の経路から音が入っている可能性も考える必要があります。
ただし、換気口は住宅の換気に必要な設備なので、音が気になるからといって勝手にふさぐことはおすすめできません。
必要であれば、防音タイプの換気設備などを検討する方法があります。

なぜ低い「ブーン」「ゴーッ」という音は残りやすい?
窓を閉めたとき、
人の話し声などは小さくなったのに、
「車の低いエンジン音だけ気になる」
「遠くのゴーッという音が残っている」
と感じることもあります。
音には、高い音から低い音までさまざまな周波数があります。
そして窓や壁の遮音性能は、すべての高さの音に対して同じではありません。
一般的に低い周波数の音は対策が難しく、建物や窓を通したあとにも聞こえやすいことがあります。
そのため、防音対策を考えるときには、
「何dBの音なのか」
だけでなく、
「どのような高さの音に困っているのか」
も重要になります。
車や大型車両、室外機、工場設備などの音が気になる場合には、こうした低い音が含まれていることがあります。
厚いカーテンを付ければ防音できる?
手軽な対策として思いつくのが、厚手のカーテンです。
カーテンを付けることで、室内で反射する音を吸収したり、窓周辺の音の聞こえ方を多少変えたりすることはあります。
しかし、
カーテンだけで窓そのものの遮音性能を大幅に高めるのは難しい
と考えた方がよいでしょう。
特に道路の走行音や電車の音など、外から入ってくる大きな騒音を抑えたい場合には、カーテンだけでは十分な効果を感じられないことがあります。
「音を吸収すること」と「音を通さないこと」は、似ているようで少し違います。
これは防音を考えるうえで重要なポイントです。
窓から音が入っているか確認してみよう
外の音が気になるときは、一度、部屋の中を歩きながら聞いてみるのもおすすめです。
窓の近く。
換気口の近く。
玄関の近く。
壁の近く。
同じ外の音でも、場所によって聞こえ方が変わることがあります。
窓の前に立ったときに明らかに音が大きくなるのであれば、窓が主な侵入経路になっている可能性があります。
反対に、窓から離れて換気口の近くへ行ったときに音が大きく感じるのであれば、そちらから音が入っているかもしれません。
防音対策では、
「まず、どこから音が入っているのかを探す」
ことが大切です。

窓の音を減らすには?
窓からの音が気になる場合、いくつか対策があります。
まず確認したいのは、サッシやパッキンの状態です。
窓がきちんと閉まっていなかったり、パッキンが劣化していたりすれば、本来より音が入りやすくなっている可能性があります。
それでも音が気になる場合には、窓の構造自体を変える方法があります。
代表的なのが「内窓」です。
現在の窓の室内側にもう一枚窓を設置し、窓を二重にします。
二つの窓の間に空気の層ができるほか、窓が二重になることで気密性も高まり、外から入ってくる音を低減する効果が期待できます。
ただし、どの程度静かになるかは、外の騒音の種類や周波数、窓の大きさ、壁や換気口など、住宅全体の条件によって変わります。
「窓だけ対策すれば、どんな音でも聞こえなくなる」というものではありません。
防音は「音の入り口」を探すことから
窓を閉めているのに、なぜ外の音が聞こえるのか。
その理由はひとつではありません。
ガラスそのものを音が伝わる。
サッシのわずかなすき間から入ってくる。
パッキンが劣化している。
換気口など、別の場所を通っている。
さまざまな可能性があります。
防音というと、つい
「厚いものを貼ればいい」
「吸音材を置けばいい」
と考えてしまいがちですが、まず重要なのは、音がどのような経路で入ってきているのかを知ることです。
窓を閉めても外の音が気になる方は、一度、部屋の中で音が特に大きく聞こえる場所を探してみてはいかがでしょうか。
意外なところに「音の入り口」が見つかるかもしれません。