【防音予備知識】音の大きさや防音の対象となる4つの音について

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当サイトは防音材の通販サイトとなりますが、この度、防音でお悩みの皆様のために、定期的に情報を発信させていただくことになりました。皆様よろしくお願いいたします。

初回である今回は、「防音」について簡単に解説させていただこうと思います。

1.㏈(音の大きさ)

まず防音を解説する前に、皆さんが感じている日常の音が㏈という単位でいうと、どれほどの数字になるのかを結び付けていただこう思います。

(引用先:騒音計の種類と騒音レベルの目安

上記の表をみていただくと分かるように、「うるさいな」と感じる人が多いのは地下鉄内などの7080㏈程度からではないでしょうか。静かなオフィスでも60㏈程度(図書館もこの程度になります)、ほとんど何の音も無いと感じるような深夜の住宅街であっても40㏈の音が発生しているのです。筆者も防音を勉強するまでは「完全に防音をすれば0㏈になる」というような発想を持ったことがありますが、どんなに防音をしても0㏈という空間はこの世には存在せず、日常生活でも60㏈程度は発生しているのです。

このような例表は、ネットで検索していただくと多く出てきますので、気になった方はぜひ見てみてください。さまざまな程度例があり複数見て頂ければだんだんと㏈の感覚が分かってくると思います。

2.防音の対象となる音は4つの種類がある

防音とは、吸音・遮音・防振・制振という4種の意味をまとめた総称のことを言います。それぞれを簡単に説明していきます。

 ①吸音

吸音とは空気を揺らして発生する音が吸音材を通過するときに内部で音エネルギーが吸音材との摩擦によって熱エネルギーに変換され、音が減衰する仕組みのことをいいます。つまり反射させないということです。身近な例でいうと家などでも使われているグラスウールが吸音材になります。また、学校の音楽室や体育館の壁に使われているたくさんの穴が開いた有孔ボードも吸音といえます。穴を開けることでそこから音を内部に侵入させ、内部の吸音材や空気層で減衰させる構造になっています。一般的な吸音材は多孔質や連立気泡で構成されているため、内部ではエネルギーが直線には進めないようになっています。そのため何度もぶつかることで摩擦熱が生まれますが、吸音材自体が熱くなることはありません。逆に言えば、多孔質でも無く独立気泡で構成されたものは吸音率が低いといえます。

②遮音

吸音が音の通過させる際に減衰させるのに対して遮音は、空気を揺らして発生する音を通過させないで反射させる仕組みのことを言います。コンクリートが最も身近なものになるかと思いますが、トンネルなどで声を出すと反響しますよね。コンクリートには吸音材のような音を通す小さな穴も無ければ、内部で減衰させるための吸音材や空気もないため、音を跳ね返すことができ、外への音漏れや外からの音漏れを防止します。

 ③防振

防振とは空気を揺らして発生する音とは別で、物体の振動によって伝わる振動(音)を少なくする仕組みを言います。例えば、衝突する物質を足だと仮定し、衝突される物質を床だとします。このとき、足からの衝撃が床に直接伝わり歩行音が床の振動を伝って部屋の中や下の部屋に届きます。防振として床にカーペットやクッションを置くことで、足から床に伝わる振動を抑制することで部屋の中や下の部屋への振動を緩和するようなイメージになります。

 ④制振

制振とは防振と同様に物体の振動によって発生する振動(音)を吸収し振動させないことで音を抑える仕組みのことを言います。振動している物体の音を他の物体に伝えないようにする防振に対して、制振は物体自身の振動をさせないように(抑制)することを言います。シンバルは振動によって音を出していますが、指などで振動を抑えると音がしなくなるような原理です。制振材の例としては皆さんの家にある洗濯機の下には4つ角にゴムのようなものがあると思います。これは洗濯機の揺れを緩和するための制振材になります。

 以上が簡単な説明となりますが、例えば蝉の声やモーターの音など空気の振動による騒音を対策したいならば、吸音と遮音。足音や室外機など機械の振動が地面に伝わってくるような騒音対策ならば、防振と制振で対策するなど、4つの種類を見極めてうまく組み合わせて防音対策をすることが重要なのです。室外機などの例はモーター自体から来る空気伝播と振動の両方があるともいえるため、隣の住宅への音を緩和させるには、遮音と防振の2つの対策をすることが効果的であるといえます。

また注意しなければならないことがあります。例えば部屋で楽器を弾く場合に、近隣への配慮として部屋から出る音を遮音材のみ施工してしまうケースです。確かに遮音効果によって部屋の外への音は軽減できるかもしれませんが、遮音では中で音が過度に反響してしまい部屋の中がかなりうるさくなってしまいます。遮音の説明時に例としてあげたコンクリートのトンネルで言えば、通常の車が通る音よりもトンネル内を通る方が反響して大きな音になります。そのように過度に反響するとかえって楽器の音そのものよりも大きな音になってしまい、部屋内はかなりうるさくなってしまいますし、増幅した音によって結果的に近隣への迷惑になりかねないのです。そのため内側に吸音材、外側に遮音材を組み合わせることで部屋の中の反響を抑えると同時に外への透過を抑えることができる最適な対策となります。

4つの種類に対応する当サイトの製品

〈吸音〉

〈遮音〉

〈吸遮音〉

住宅向け

音響向け調音パネル

〈防振・制振〉

上記は一例であり、色・サイズなど品そろえがありますので、ぜひ製品ページをチェック頂き、お試しください。

この記事が少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。

今後も皆様のお役に立てるよう情報を配信していきますので、よろしくお願いいたします。今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

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