こんにちは、Nです。
受験シーズンになると、独特の空気を思い出します。静かな教室に、少し張りつめた空気。そして、その静けさの中に浮かぶ、いくつかの音。

静まり返った教室で
問題用紙をめくる音。
シャープペンシルの、カリカリという音。
消しゴムをこする音。
どれも大きな音ではありません。けれど、静かな空間では思いのほかはっきりと聞こえることがあります。椅子がわずかに動く音や、遠くの咳払い。普段なら気にならない音も、輪郭を持って耳に届きます。
静けさと「対比」の効果
音の感じ方は、周囲の環境によって大きく変わることが知られています。
たとえば、暗い部屋では小さな光が強く見えるように、静かな空間では小さな音ほど目立ちやすくなります。これは「対比効果」と呼ばれる現象のひとつです。
さらに、人は緊張しているとき、感覚がやや敏感になる傾向があると言われています。試験のように集中力が求められる場面では、周囲のわずかな変化にも注意が向きやすくなります。
音が緊張を生み出すというよりも、緊張しているからこそ音がくっきりと感じられる。そんな関係があるのかもしれません。
無音は、実はほとんどない
実験室のような特殊な空間を除けば、私たちの身のまわりに「完全な無音」はほとんど存在しません。紙の音、衣擦れの音、空調の音。静かに感じる場所でも、実際にはさまざまな音が重なっています。
試験会場で聞こえる筆記音も、その場にいる誰かが考えている証のようなもの。
静けさの中では、音は少しだけ存在感を増します。でも、それもまた、その時間を形づくる一部です。音は大きさだけでなく、環境や気持ちによっても印象が変わります。
試験会場の小さな音には、そんな音の不思議が表れているのかもしれません。
