魚は音が聞こえるの?水中の不思議な聴覚

こんにちは。サイレントプロバイダーの担当のMです。

この夏は、息子が魚に夢中になり、ほとんど毎週のように水族館へ出かけています。水槽の前でじっと魚の動きを眺める息子を見ていると、私自身も魚の生態に興味が湧いてきました。その中でふと浮かんだ疑問が、「魚は音を聞くことができるのだろうか?」というものです。今回はその素朴なテーマについてご紹介いたします。

魚は人間のように耳で音を聞くのか?

魚にも「耳」にあたる器官は存在します。ただし、人間のように外耳や鼓膜はなく、体内にある「内耳」で音や振動を感知しています。水中では空気中よりも音の伝わる速度が約4倍も速く、魚は人間よりも敏感に音を感じ取れるとされています。

研究によると、コイや金魚はおよそ 200Hz〜4,000Hz の範囲の音を聞き分けることができるとされています。これは人間の会話(約500〜3,000Hz)に近い音域です。また、魚が反応する音の大きさはおおよそ 75〜100dB 程度であり、これは「掃除機の音」や「交通量の多い道路」に匹敵するレベルです。魚たちは、人間が思う以上に騒がしい世界を生きているのです。

水中で音はどう伝わる?

水中で声を出すと、空気中ほど遠くには届きません。高い周波数は水に吸収されやすいためです。その一方で、低周波の音は数キロメートル以上も届くことがあります。

例えば、クジラの鳴き声は 20Hz前後の低周波を含み、何百キロ先まで伝わるといわれています。魚にとっても低周波は重要な情報源で、仲間の動きや捕食者の接近を察知するのに役立っています。人間が反響音で空間を感じるように、魚は水を通して広がる音と振動をうまく利用しているのです。

魚が感じる音の種類

魚が得意とするのは低周波の音です。例えば、ドラム缶を叩いたような低い響きは魚に強く届き、仲間とのコミュニケーションや縄張り行動に利用されます。

また一部の魚は「超音波」にも反応できるとされ、イルカやエビが発する数万Hzの高周波音を感知することが分かっています。人間の可聴域(約20〜20,000Hz)と比べても、魚の聴力は発達していることが分かります。

人間活動による水中騒音の影響

近年は、工場設備のコンプレッサーやモーター音、港湾工事、船舶のエンジンなどによって水中騒音が増加しています。これらの音は 120dBを超える こともあり、魚にとっては大きなストレス要因です。

研究事例では、船の航行が活発な海域では魚の群れが分散してしまったり、産卵のタイミングが遅れるといった影響が観察されています。これは人間にとっての騒音問題と同じく、魚にとっても生活や繁殖に直結する大きな問題です。

こうした背景から、水中騒音を測定し、生態系への影響を調べる研究が進んでいます。人間の生活空間で防音工事や遮音材を導入するように、水中でも静けさを守る工夫が必要とされているのです。

今回は、魚の聴覚と水中騒音についてご紹介いたしました。次回は、イルカやクジラがどのような音を発して仲間とコミュニケーションを取っているのか、その不思議な仕組みを探ってみたいと思います。

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